一般論として、どのくらい有利に設定されているのか?
以前の記事において、今年の阪神・巨人のクライマックスシリーズ突破率を計算してみました。
参考記事: 阪神と巨人のクライマックスシリーズ突破率を計算してみた
その記事を書く中で気になったのが、「クライマックスシリーズのルールって、どのくらい首位チームに有利になってるの?」という点です。
アドバンテージの有利度合いについては上記の記事で計算し、「勝率5分5分でも、アドバンテージのお陰で66%の確率で突破できる」という結論を出しましたが、次なる疑問として、「では、ホームで勝負することの利点はどのくらいあるのか?」というところも調べたくなってきました。
ホーム試合って、どのくらい有利なの?
これについては、過去5年間のセ・パ全チームのデータを参考に計算してみました。
計算方法は以下のとおりです。
- 過去5年の全チームデータを集計(12チーム×5年=60サンプル)
- (ホーム勝数)-(ビジター勝数)の差を集計し、100試合あたりの差に正規化
こうすることで、ホーム50試合、ビジター50試合した場合の勝数を割り出すことが出来ます。
ここから、「実力が拮抗している場合に、ホーム側にどれほどの利点があるのか?」というのを定量的に出すことができるのではないか、と考えられます。
やってみた結果がこちらです。
こう見ると、やはりホーム試合のほうが有利に働くんだな-というのがよく分かるかなと思います。もっとサンプルを増やすと正規分布に近づいていきそうですね。ちなみに、全サンプルの平均値は「4.52」でした。この値を、適用してみることにします。
つまり・・・実力が拮抗している2チームが争った場合、ホーム側27.26勝、ビジター側22.74勝と計算されることになります。ビジター側の勝率で言うと45.48%が導き出されました。
ホームの優位性を加味して、一般論としてのCS突破率を再計算
前回記事を参考にして、B=0.4548を代入して計算すると・・・
下位チームが突破 | 1位チームが突破 | |
3戦で決着 | – | 0-3
16.21% |
4戦で決着 | 4-0
4.28% |
1-3
22.11% |
5戦で決着 | 4-1
9.33% |
2-3
20.11% |
6戦で決着 | 4-2
12.71% |
3-3
15.24% |
突破率TOTAL | 26.32% | 73.68% |
はい、でました。
つまり、実力の拮抗している2チームがファイナルステージを争った時、下克上できるのは4回に1回くらいの確率になってしまうわけです。
ちなみに、実績としての下克上率はセパ含め「3/20」(アドバンテージのなかった2007年を含む)となっており、4回に1回よりもかなり悪い数字になっています。そもそもの実力差による影響も色濃く出ているかな-と言った感じです。
今回ほど首位とそれ以外の差がついているのなら、アドバンテージを2勝くらい与えてもいいんじゃないか?という気もしたりはしましたが、「1勝+全試合ホーム」の時点で相当上位側有利なルールになっているのがよくわかります。
こうやって数字にして見ると、色々おもしろいですね。